2024.1-2 Spain, France, Italy

2024.1-2 Spain, France, Italy

スペイン、フランスそしてイタリアを巡り買付に行ってきました。

旅の始まりはスペインから。

仕入の合間に建築や大聖堂、そして食を愉しんだ数日間。

バルセロナは街並みも美しく、特にゴシック地区は散策が楽しい。

教会や大聖堂周辺の路地にはかつて商店が立ち並んでいたことが多く、中世の人々の知恵や形跡が壁に刻まれていたりするので、石畳みの路地や教会の外壁、建物の角などを注視しながら、滞在中何度も練り歩いてしまいました。

 

タパスはもちろん、バスクチーズケーキや、チュロスもちゃっかりしっかり味わい、

 

カタルーニャの冬の味覚カルソッツも忘れずに堪能。

エプロンも手袋も出てこず、ベトベトになりながらいただきました。

 

 

そしてフランスへ

フランスでの買付はとにかく怒涛でした

移動しながらの買付で、毎日宿を転々としていたので、食事に出かける事は早々に諦め、ひたすらスーパーのサラダと日本から持ってきたレトルト雑炊でお腹を満たすという。

私は食だったり、観光だったり、気分転換を挟まないとどうも駄目みたいです。

気分転換は最後のイタリアに取っておこうと気分を奮い立たせ、移動、買付、梱包、発送に終始したフランス滞在。

朝に市場で仕入れを終えたらそのままホテルに荷物をピックしに行き、次の町へ移動という感じだったので、必然的に荷物もどんどん増え、重さも増していきます。

それなのに町は坂や階段が多かったり、駅にはエレベーターが無かったりするので、毎回顔を真っ赤にしながらゼェゼェと階段を上がらないといけません。

あまりにも私が顔を真っ赤に膨らませて階段を上がってくるので、最後の方は見兼ねた夫がヒョイと重いスーツケースを2つ抱えて階段を担当してくれました。

あぁ、なんて有り難い….

とはいえ、脇にダンボールを抱え重たいリュックを背負い、さらにスーツケース2つ抱えての階段はさすがの夫も苦戦しながら上がっていました。

するとどこからともなく、ヒョイっとスーツケースを持って一緒に上がってくれる男性が。ホームに着くと何事もなかったかのようにサラッと立ち去って行きました。

メ、メルシー!の声も間に合わないくらい、本当にサラッと。

こういう光景、ヨーロッパではよく目にします。

ベビーカーや車椅子の方が階段や段差を前に困っていたら、すぐに見知らぬ誰かが持ち上げたり、運んだり。それも1人じゃなく何人もの人々が手を差し伸べて。

そしてサラッと立ち去って行くのです。

きっと困っている人がいたら助けるというのが当たり前で、自然と身についているんだろうと思います。

良い意味で、見知らぬ人同士の距離感が近い感じ。

毎回海外に行く度に、私もこんな風に人に親切でありたいと切実に思わされます。

あとローマを歩いていた時のこと。

前にはご年配のご夫婦と車椅子のお婆さま。そのご夫婦が多分お婆さまの杖なのかな、杖をこう、横に持って前後にブンブン振りながら歩いていたのです。たまに日本でも傘をそうやって持って歩いている人いますよね。あれいつも、危ないなー、目に刺さったらどうするんだ。と思いながら結局注意できないでいるのですが。

この時もまさにそういう状況で、後ろを歩いていた私は結構気が気じゃなかったんです。そしたら、私の後ろから歩いてきた女性が、そのご夫婦を追い越す際に声をかけていました。

「チャオ!とっても素敵な杖ね。でもその持ち方少し危ないから、縦にこう持った方が良いんじゃないかしら? 今日も良い天気ね。素敵な1日を! 」

みたいな?イタリア語は分からないので実際に何て言っていたのかは分からないのですが、そんな感じの雰囲気で。

とっても軽やかに、嫌みな感じも全然なく、笑顔で世間話するような雰囲気でサラッと注意して颯爽と追い越していったのです。

うわー!と衝撃を受けました。真似してみたい、でも結構勇気とセンスが必要な気がします。あのカラッとした感じ。国柄なのかな。とても素敵だなと感じました。

 

 

話が逸れましたが、そんなこんなであまりにも慌しく過ごしていたので、フランス滞在中のことをほとんど覚えていないのですが、最後の2日間は梱包の目処も立ち、仕入れ後美味しい海鮮とステーキを食べに行けました。

それがフランスでの唯一の良い思い出というか癒しでした。

 

旅後半はフランスを後にし、スペインへ一度戻り、飛行機でイタリアへ

 

イタリアでストが行われるという情報もあったのですが、幸いにも南イタリアではほとんどストの影響もなく過ごすことができました。

が、2月の南イタリアはオフシーズン真っ只中。

宿をとっていた町は州都から遠く離れた辺鄙な場所で、この時期観光客はいるはずもなく、なんなら昼間は町人の姿すら見えないので、ここはゴーストタウンなのかな?と不安になった程でした。

当然飲食店も軒並み閉まっており、南イタリアでの食事を大変楽しみにしていた私はとてもショックで、意気消沈という感じでした。

とはいえ落ち込んでばかりもいられません。

気持ちを切り替え、翌日から蚤の市や骨董屋、少し離れた町へも足をのばし自分達が惹かれるモノを少しずつ集めていきました

田舎町なので英語は基本的に通じませんが、想像していた以上に南イタリアの方(特に年配の方)は優しく、通じないながらも身振り手振りで説明してくれ、時には私達のiPhoneを掴み取りgoogle翻訳を駆使して話してくれたり、ある時は自家用車で目的地まで送ってくれたり。いろいろと助けてもらうことが多かったです。

またある村の骨董屋に立ち寄った時のこと。

長年古物の世界に生きてきたであろう物知りのご主人にはその後ろをついて回る若い息子さんの姿が。

ご主人が私達に説明している時はその息子さんも一緒にフムフムと聞いている。

きっと何十年後かにこの息子さんがご主人の後を継ぐんだろうなと、なんだか勝手に微笑ましくなったのでした。

まだまだこのパワフルで物知りのご主人にはこれからもたくさんのことを教えていただきたいし、長年通いたいなと思える骨董屋に出会えたことは、今回の南イタリアでの大きな収穫のひとつでもありました。

 

そして1週間程の滞在を終え、仕入れたものを梱包、発送し南イタリアを後に。

滞在中に是非行きたいと思いながら、宿周辺の交通の便が悪すぎて行くことができなかったアドリア海。

最後に少しだけ立ち寄ることができました。

本当になんて美しい色。紺碧というのかな、とにかく美しいのです。

車窓から流れていく立派なオリーブの樹々と美しいアドリア海を眺めながら、また訪れたいな(できれば飲食店が開いている時期にできればのんびりと観光で)と願わずにはいられませんでした。

 

 

今回の欧州買付は、移動が多いうえにヨーロッパの鉄道は一筋縄ではいかないことも多く、重い荷物を抱えながらの移動はなかなかに苦労しました。

また今回は車ではなく主に鉄道、バスを駆使しての移動だったこともあり、いつもと同じようにフットワーク軽く、多くの村、町の蚤の市をまわることも難しかったのですが、そんな中でも、物量的には決して多くはありませんが、感性に響いたモノ、面白いモノ、手放したくないと思えるモノを厳選して自分達にとって納得のいく仕入れができたかなと思います。

 

毎回思いますが、大変だし、体力的にもつらいことの方が多いけど、やっぱり楽しい!欧州買付なのでした。

Ci vediamo !

 

 

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